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交雑作出から20年経ちました

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■□□□□     〜アレから20年経ちました〜    □□□□■

2019.11.9 発行      第130号
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 こんにちは。 オオクワブリード館のマツモトです!

 
 今日もお読み下さりありがとうございます。



キリの良い130号の配信となりました^^。



2004年から始めましたメルマガ。

よく続いたものです^^。


全て出し切りましたので、一旦配信も終わろうかな・・・って
思っておりましたが、ここ最近複数の読者の方々からチョクチョク配信して
欲しいとの要望がございました。


要望があるうちが「華」ですので、最新情報は無いのですが、皆様から
ずーっとご要望のある「交雑」についてそろそろ少し触れてみようと
思っています。




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 ■アレから20年経ちました
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今までは、心のどこかで「後ろめたさ」があり、どちらかと言えば
「交雑」の作出やその方法をプロブリーダーに教えた事を後悔していました。


ご承知のように、今では「交雑種」を国産オオクワガタであると称して
あり得ない大きさ、太さのオオクワガタが「国産」としてオークション等を
中心に取引されています。


さすがに、今となっては少しオオクワガタの事を知っている方なら「交雑」を
疑うようになりましたが、当時はあまり知られていませんでしたので、
2000年〜2006年くらいまでは、交雑血統が「国産」の極太血統と称され
飛ぶように売れていました。



私は、今でも「交雑」作出自体は悪い事だと思っていませんし、当時も
芸術作品と自負しておりました。


しかし、悪用する人は居るんですね・・・。


結果、交雑を作出した事はどうだったのか・・・。



教えた「誰」が「誰に広め」交雑が進化したかは、今となってはわかりませんが、
既に交雑作出から20年の月日が経っておりますので、厄介なことに、
交雑種か純国産種かわからないほど交雑種が進化を遂げています。



ただ、一つ言えることは、国産オオクワガタは局所生息型の臆病なクワガタで
長い年月を掛けて脈々とその血統を維持してきたクワガタです。

この「局所生息型」こそが、同じ国産オオクワガタでも地域によって若干の
型の微差が生まれたわけです。


あくまでも同じ種ですので「若干の微差」でしかありません。



本来、交雑種が出現するまではこの「若干の微差」がオオクワ好きには
たまらない魅力であったのです。



なので、80ミリを超える大型や顎が太い極太など本来あり得ません。


ただ、もし・・・もしもの話です。

自然界において万一そのような個体が発生しても劣性遺伝もしくは
突然変異ですから、基本的には孵化しても羽化までに★になるか、
万一羽化してもスグに★になる・・・もしくは交配出来ないでしょう。




私の知る限り、飼育下の純国産オオクワガタで80ミリを超える個体作出は
過去に「数例」。


近いところでは、2003年の京都、2004年の佐賀あたりでしょうか。


野外採集の天然ものは、記録としては77ミリ。

未公認でも79ミリが1例です。




なのに今では、80ミリアップがふつーに販売されたりしています。

おかしいですよね^^。



で。話を戻しますと・・・アレから20年。

時効・・・なんじゃないかな?

って事で、少し裏話を・・・。



時は1999年。


外国産のクワガタの一部輸入が解禁されました。

以降続々と解禁となりました。



既に採集屋兼ブリーダーだった私は早速国産オオクワガタとの交配で
交雑種の作出を始めました。


さすがに細かな交配技術については書けませんが、当初どの種が
国産オオクワガタと交配し、産卵するのか・・・羽化までもって行けるのか?


この事に興味津々で没頭していました。



その結果の延長線上に「偽国産」が出回ったと・・・。


言い訳になりますが、当時はそんな事になるとは当然思っていませんし、
交配技術も教えてほしい方には躊躇なく伝えていました。


なぜならその段階では、作出個体はいわゆる「変な型」。


国産でないことは一目瞭然。

「偽国産」とは程遠いものだったからです。



ただ、この交配技術が一気に出回り、さらに進化した結果、「偽」部分を
消し去った個体の作出が出来るようになりました。



私が教えた「あるブリーダー」が最初に成功したのですが、
さすがにその個体を見せてもらった時は衝撃でした。

・・・悪用すれば・・・ですから。



早速、その方法を聞き、私も色々試しました。


結果、ホーペイを使用して戻し交配を行うと、大顎のめちゃくちゃ太い
「型が国産オオクワガタ」の個体が簡単に作出できます。


今ではさらに進化し、グランディスでもタイワンオオでも可能です。

ちなみにグランディスなら85ミリの偽国産も可能です。



なので、何代か前が交雑種であるオオクワガタは今や飼育者の間では蔓延している
と思われます。



当然ですが、型を見ても見抜くことが出来ないわけですから、ショップクラスの
知識では「国産オオクワガタ」となるのでしょう。

ある意味「芸術作」の国産オオクワガタが誕生してしまいました。




と言う事で、どうしても「偽国産」が嫌で「純国産オオクワガタ」に拘るなら
極太個体や80ミリアップには手を出さない事です。


又、オークション等ではなく、信頼できるショップから購入する方法も
ありますが、この信用、信頼が難しいですよね。


先ずは、国産オオクワガタだけでなく、外国産のオオクワガタを扱っている
ショップ、特に「ホーペイ」を扱っているショップで国産オオクワガタが販売
されている場合は、高確率で交雑種と言えます。


なぜなら、ホーペイとの交雑はさほどの交配技術がなくとも、「偽」を
消し去る事ができ、簡単に極太が作出できるからです。


又、大きさも75ミリから78ミリ程度を簡単に高い確率で作出できますから。


商売には向いている交雑種って事になります。




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 ■編集後記
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基本的に交雑種は何代か累代を進めると全滅します。

多分これは遺伝子の関係かな?ってのが推測です。

又、国産オオクワガタでも菌糸ビン飼育で累代を続けるといずれ全滅します。


局所生息型で脈々と近親交配を繰り返す国産オオクワガタがなぜ???

ですよね。


これは、自然界の累代とは違い、菌糸ビンを使っているからです。



私のマニュアル類でも触れています。


 養殖技術マニュアル


 オオクワガタ飼育剤基礎講座



ただ、そういった事を防ぐ成分で作った添加剤が「BBスペック5」なんですが、
意図せず、交雑累代にも効く事がわかったのです。

購入されます方がどのように使用されようとそれは自由です。


が。

菌糸ビン飼育の方々から累代に関してお喜びの声をお聞きするのは、
良かったかなって思うのですが、交雑交配に使用されている方々からの
お喜びの声は・・・正直「複雑」です^^。






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